使途秘匿金と使途不明金

安藤税理士法人の加藤です。法人がした支出が、いわゆる経費と認められるためにはその支出の内容や相手先を明らかにすることが大前提になっています。この支出の使途を故意に隠したり、費途がわからないというような場合には認められません。その支出の目的を隠しているものを使途秘匿金、目的が不明なものを使途不明金といいます。

1.使途秘匿金

法人がした金銭の支出のうち、相当の理由がなく、その相手方の氏名や名称、住所及びその事由を帳簿書類に記載していないものを言います。

使途秘匿金には、金銭だけでなく資産を贈与した場合なども含まれます。

(例)利権獲得のための工作資金、謝金やヤミ献金、取引先の役員等への裏リベート、株主総会対策費等の支出

使途秘匿金はその全額が損金不算入となる上に、通常の法人税とは別枠で、その支出額に40%の税率を乗じた特別税額が課されます。法人税の額によらないので、赤字であっても課税がされます。

2.使途不明金

法人が交際費、機密費、接待費等の名義をもって支出した金銭で、その費途が明らかでないものを言います。

使途不明金は支出額や相手先がわかっているがその目的が不明なものが該当します。

主に領収書を紛失した場合、取引先との関係から領収書をもらえない場合に発生しますが、領収書がある場合でも何のために行われた支出なのかが明らかでない場合には使途不明金に該当してしまいます。

使途不明金はその支出額の全額が損金不算入とされます。

カテゴリー: スタッフブログ 加藤, 税務トピックス | コメントする

特別徴収税額決定通知書とマイナンバー

安藤税理士法人の土屋です。平成29年度以降、特別徴収税額決定通知書に従業員のマイナンバーが記載されることになりました。

特別徴収税額決定通知書とは、例年5月に市区町村から住民税の特別徴収義務者(特別徴収を行う義務のある事業者)宛てに送付される書類で、6月から翌年5月までの給与から徴収する住民税額の通知が目的です。多くの事業所がこの通知書に従って住民税の徴収・納付を行っています。

総務省の通達によると、今年度からこの通知書に従業員のマイナンバーが記載されるとのことです。したがって事業者は、従来のマイナンバーの取扱いと同様、当通知書も施錠できる書庫等に保管するなど、漏えい防止の安全管理措置を講じる必要があります。

なおマイナンバーは納税義務者である従業員全員のものが記載されるため、事業所にマイナンバーを提出していない人(提出を拒否した人)の番号も自動的に通知される場合があります。

従来マイナンバーは官公庁が税や社会保険を管理するために利用するもので、事業所が使用することはありません。よって市民→事業所→役所という提供はあっても、役所→事業所という提供はこれまで行われていませんでした。

この一連の決定に関し、以下のように複数の観点から疑問の声があがっています。

・マイナンバーは番号法に基づく関係事務の範囲外の使用が禁止されており事業所にとって実務上不要だが、記載の必要があるのか?(安全管理の負担を増やすだけでは?)

・マイナンバーを事業所に提出したくない従業員のプライバシー権侵害(憲法違反)ではないか?

・自治体から事業所への通知書送付方法はどうするか?(普通郵便では誤配送など漏えいリスクが高く、書留では郵送コストが膨大になる)

もともと賛否両論あったマイナンバー制度ですが、今回の取扱い方法に関してはマイナンバー賛成の立場からも疑問の声があるようで、通知書にマイナンバーを記載しない自治体も見られます。

中小企業にとって負担の大きい制度なので、できる限りトラブルを防げるような慎重な対応を期待します。

カテゴリー: スタッフブログ 土屋, 税務トピックス | コメントする

医療費控除の添付書類の改正

こんにちは安藤税理士法人の鬼頭です。平成29年分から所得税の医療費控除を受ける際に確定申告書に添付していた書類が改正されます。

平成28年分までは医療費控除を受けるには『医療費の明細書』を作成し、領収書の添付が必要でした。平成29年分(平成30年1月1日以後に提出する場合)からは、領収書の添付が不要になり『医療費の明細書』または『医療保険者等の医療費通知書』の添付だけでよくなります。

ただし『医療費の明細書』を確定申告書に添付した場合には、5年間は領収書を保管する必要があります。『医療保険者等の医療費通知書』を確定申告書に添付する場合には、領収書の保管は必要ありません。

また、平成29年から開始されるセルフメディケーション税制(特定一般用医薬品等購入費を支払った場合の医療費控除の特例)についても同様に適用されます。

なお、この改正には経過措置が設けられており、平成29年分から平成31年分までの確定申告については明細書ではなく、従来通り医療費の領収書の添付により、医療費控除の適用を受けることもできます。

平成28年分までは医療費の領収書がないと医療費控除が受けれませんでしたが、この改正により29年分からは『医療費のお知らせ』などの医療費の通知書でも医療費控除が受けられるようになります。

カテゴリー: スタッフブログ 鬼頭 | コメントする

赤字でも発生する税金があります

安藤税理士法人の加藤です。5月は3月決算の会社の申告月になります。3月を決算月に設定している会社の割合は一番高いので、今月が最も多くの決算申告がされることになります。

さて、会社の決算を行って赤字となった場合には、利益に対して課税される法人税は当然かかりません。しかし、それでも「法人住民税の均等割」は必ず発生するため、税額が全くのゼロになることはありません。

法人住民税は、都道府県や市区町村に納める地方税に分類され、大きく分けて①所得に対する法人税を基に計算する法人税割と、②資本金等の額や従業員の数に応じて定額で発生する均等割から構成されています。

①は法人税同様、赤字の場合は課税がされませんが②の均等割は利益の額に関係なく発生します。

均等割の税額は自治体によって異なりますが、特別大きな差はないため愛知県小牧市を例にとってその一部を紹介します。

<法人県民税の均等割額>

1.資本金等の額1,000万以下・・・21,000円

2.資本金等の額1,000万超1億円以下・・・52,500円

<法人市民税の均等割額>

1.資本金等の額1,000万以下

(1)従業者50人以下・・・50,000円

(2)従業者50人超・・・120,000円

2.資本金等の額1,000万超1億円以下

(1)従業者50人以下・・・130,000円

(2)従業者50人超・・・150,000円

資本金等の額が1,000万以下で従業者50人以下の規模の場合には21,000円+50,000円で71,000円の税額になります。これは年額なので1期目の決算では月割りします。

細かいことではありますが、法人成りのデメリットと言われる部分でもありますので、法人成りを検討中の個人事業主の方は判断材料の一つとして是非ご理解を深めて頂きたいと思います。

カテゴリー: スタッフブログ 加藤, 税務トピックス | コメントする

福利厚生費の活用

安藤税理士法人の山田です。役員を含む従業員の健康診断や社宅・社員寮、慶弔、慰安などの福利厚生費について調べてみました。福利厚生とは、企業から従業員へ支給されるお給料以外の報酬をいい、労働力の確保・定着、労働意欲の向上などを目的とした制度です。最近では、就職先や転職先を決めるにあたり福利厚生の充実や職場の雰囲気などの労働条件が決め手となっているようです。

福利厚生を導入することで、会社のアピールや離職率の低下、従業員のモチベーションアップになります。それにより会社の利益に繋がるメリットとなります。さらに社員の意見を取り入れることで、コミュニケーションの構築が図れ、労働環境の改善等にも役立ちます。

デメリットとしては従業員のための支払いが増えるためコストがかかります。中小企業勤労者福祉サービスセンターや一般財団法人あんしん財団は、コストをかけることが難しい企業に対して福利厚生の支援や助成を行います。

他にも福利厚生を利用する際に手続きや管理などの手間がかかります。それを解消するアウトソーシングの活用は負担軽減やコスト削減になるようです。具体的に福利厚生代行(アウトソーシング)サービスを利用することで、スポーツクラブやレジャー、リゾート施設を低価格で使用でき、育児や介護の支援サービス、補助などが受けられます。

企業によってユニークな社内制度・福利厚生を設けているところもあります。新たな福利厚生を考えている企業や社内での話題として調べてみてはいかかでしょうか。

カテゴリー: スタッフブログ 山田, 節税対策 | コメントする

還付加算金

安藤税理士法人の土屋です。確定申告が終了すると、税金の納付または還付が行われます。納付期日は毎年3月15日、口座振替の場合は4月20日。一方で還付される日は厳密には決まっておらず、だいたい申告後1ヶ月半ごろの振込が一般的です。どちらにせよ、多くの方は納付・還付まで完了されているのではないでしょうか。

さて税金還付の際、申告書で確定した還付金額より多く振り込まれていることがあります。これは還付加算金が付与されているためです。今回は還付加算金とその税務処理について説明します。

還付加算金とは還付金の利息にあたるもので、還付金の額に応じて加算されます。国税還付の際、税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキが送られてきます。還付加算金が付与される場合は、このハガキに金額が記載されます。

さて、還付金そのものについては、納めすぎた税金が戻ってきただけなので、課税されることはありません。しかし還付加算金は雑収入または雑所得として課税されます。

個人の場合、還付加算金は「雑所得」として確定申告書に記載する必要があります。

よく、事業用の口座に振り込まれたからといって雑収入で計上してしまうことがありますが、これは間違いです。事業の帳簿上は「事業主借」で処理し、忘れずに「雑所得」として申告しましょう。

一方、法人の場合は「雑収入」で計上するのが正しい方法です。申告書での加減調整も不要な益金なので、これ以上の処理は必要ありません。

還付加算金の処理は大変間違えやすいものです。しかし、少額だからといっていい加減に処理してはいけません。還付加算金は当然、税務署が完全に把握している取引なので、誤って申告するとすぐに指摘されます。細かい部分ですが、正しい処理を徹底しましょう。

カテゴリー: スタッフブログ 土屋, 税務トピックス | コメントする

配偶者控除の見直し

こんにちは安藤税理士法人の鬼頭です。平成30年分から所得税の配偶者控除および配偶者特別控除が見直されます。改正点は以下の通りです。

1. 配偶者控除

年収103万円以下 → 年収150万円以下

2. 配偶者特別控除

年収103万円超~141万円以下 → 年収150万円超~201万円以下

また配偶者控除および配偶者特別控除の拡充により減少する税収を補うため、配偶者控除および配偶者特別控除に所得制限が設けられ、控除を受ける人の年収が1,120万円を超えると、段階的に控除額が減少し、1,220万円を超えると控除を受けられなくなります。

社会保険(厚生年金等)の扶養に入るには、年収130万以下(将来の見込み額で、1~12月の収入額ではありません)が要件にあるため、社会保険の扶養の要件も改正されればいいのですが、手取りを増やすには、よく考える必要があります。

カテゴリー: スタッフブログ 鬼頭 | コメントする

税務の届出手続きが簡素化されました

安藤税理士法人の加藤です。平成29年度税制改正によって、今年度も様々な改正が4月1日より施行されています。その内の一つとして、企業が活動しやすいビジネス環境整備を図る観点から、税務書類の届出手続きの簡素化が行われることになりましたので紹介します。

会社の設立や異動があった際には様々な手続きや届出が必要です。多くの書類をかき集め、必要事項を記入し、それぞれの提出先に漏れなく提出をしなければならないため非常に手間がかかります。今回はその一部を省略することができるようになりました。

1.登記事項証明書の添付省略

法人を設立した際に届出を行う「法人設立届出書」には、「登記事項証明書」の添付が必要でしたが、平成29年4月1日からは添付が不要となりました。その他にも、税務署からの要望があった際に「登記事項証明書」の添付が必要とされていた一定の届出書等についても同様に添付が不要となります。

2.異動届出書等の提出先のワンストップ化

会社の移転等により所轄税務署が異動することとなった場合には「異動前・異動後それぞれ」の税務署に対して届出が必要でしたが、平成29年4月1日以後からは異動後の税務署に対しての届出が不要となり、「異動前のみ」の税務署に対して届出を行えば済むようになりました。異動届出書以外にも、「個人事業の開業・廃業等届出書」「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」等の届出書に対して適用がされます。

今年度の改正で簡素化されているのはごく僅かですが、フリーランスや会社経営者の方がより本業に注力できるよう、現状の煩雑な手続きがより簡素化されていくことを望みます。

カテゴリー: スタッフブログ 加藤, 税制改正, 税務トピックス | コメントする

くるみんマークとプラチナくるみんマーク

安藤税理士法人の山田です。くるみんマーク・プラチナくるみんマークをご存知ですか?厚生労働大臣が認定する【子育てサポート企業】が使用できるマークで、仕事と子育ての両立などを行っていることをアピールできるものです。認定マークを商品や広告などに付けることができます。

少子化対策の一環である取り組みなどを定めた次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定し、目標の達成により一定の基準を満たした企業が申請できます。

プラチナくるみんマークは、くるみん認定を受けた企業のうちより高い水準の取り組みを行った企業が受けられます。平成28年12月末時点で2,634社がくるみん認定を受けており、プラチナくるみん認定は108社となっています。また、認定を受けると事業所内保育施設や授乳コーナーなど次世代育成支援に資する一定の資産について割増償却を行うことができる税制優遇措置があります。

青色申告を提出している法人・個人事業主が対象で、平成30年3月31日までに初めて「くるみん認定」を受けた事業年度(1年間)、「プラチナくるみん認定」を受けた事業年度から3年間、資産の種類の区分に応じて適用が受けられます。詳しくは厚生労働省のホームページをご参照下さい。

 

カテゴリー: スタッフブログ 山田, 税務トピックス | コメントする

雇用保険料の引き下げ

こんにちは安藤税理士法人の鬼頭です。29年4月1日から雇用保険料率が以下の様に下がります。

・労働者負担分

一般の事業           0.4%⇒0.3%

農林水産・清酒製造の事業    0.5%⇒0.4%

建設の事業           0.5%⇒0.4%

・事業主負担分

一般の事業           0.7%⇒0.6%

農林水産・清酒製造の事業    0.8%⇒0.7%

建設の事業           0.9%⇒0.8%

雇用保険財政はその時の経済状況により影響を受けます。失業者が増えると失業給付金の支出が増え、雇用保険財政を圧迫し保険料が引き上げられます。失業者が少なくなると、失業給付金の支出が減り、雇用保険財政は良くなり保険料が引き下げられます。

雇用保険の積立金は、2002年3月末で4,000億円まで減少しましたが、法改正が行われ失業率も改善したため、2016年3月末で過去最高の6兆円超に達し、当面は財源に余裕があるため保険料が引き下げられました。雇用保険で賄われている育児休業時の給付金の支給期間も延びる方向です。

カテゴリー: スタッフブログ 鬼頭 | コメントする