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2024.2.1
税務トピックス
2026年手形廃止に向けてご準備を!

【背景】
約束手形は長年、日本の商取引において重要な決済手段として利用されてきました。特に製造業や建設業など、原材料や資材の仕入れに多額の費用がかかる業種で広く使われています。しかし、電子決済サービスの普及に伴い、約束手形の決済残高は減少傾向にあります。約束手形には以下のような問題点があります:

資金繰りの圧迫:現金化するまでの期間が長く、中小企業の資金繰りを圧迫する。
事務管理の手間:手形帳を作成して管理する必要があり、不渡りを防ぐための管理が煩雑。
不正のリスク:手形を利用した不正が発生するケースもある。
これらの問題を背景に、政府は2021年2月に「2026年を目途に約束手形を廃止する」方針を決定しました。本稿では、2026年手形廃止に向けての準備ポイントについて解説します。

 

【今後の対策】
今回は支払手形の対策について主にお話しします。

電子記録債権の活用

概要:電子記録債権(でんさい)は、約束手形の電子版であり、紙の手形と同様の機能を持ちます。
メリット:
紙の手形のような盗難や紛失のリスクがなく、印紙代が不要。
債権を分割して譲渡・割引が可能で、使い勝手が良い。
注意点:利用には自社だけでなく、取引先もでんさいネットに登録している必要があります。取引先の利用状況を確認し、切替えを進めましょう。
銀行振込に変更する

資金繰りの注意点:約束手形は3~6か月の支払猶予がありますが、銀行振込では一般的に30日~45日の支払いサイトとなります。このため、銀行振込に切替えると資金繰りが悪化する可能性があります。
対策:銀行振込に切替える前に、銀行からの資金調達を行い、手元資金を確保しましょう。例として、毎月支払いサイト3か月の手形1,000万円を振り出している場合、銀行振込に切替えると1,000万円×3か月分の3,000万円が不足するため、その分を銀行から資金調達する必要があります。

【最後に】
2026年の手形廃止に向けて、特に支払手形についての対策を解説しました。銀行振込への即時変更は難しいかもしれませんが、電子記録債権の普及が進むことが予想されます。電子記録債権を導入するメリットや、銀行振込に切替えた際の資金繰りについて、改めて検討していきましょう。

 

 

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