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2016.10.11
スタッフブログ 土屋
振り込め詐欺と雑損控除

安藤税理士法人の土屋です。銀行や郵便局、ATMの周囲には「振り込め詐欺に注意!」との掲示が目立つように貼ってあります。預金口座への振込を利用して行われる犯罪行為は後を絶たず、「マイナンバー制度」「義援金」「オリンピック開催」などに便乗した詐欺の被害も多数報告されています。「自分は大丈夫」と思わず、十分ご注意ください。

さて、盗難等によって不運にも資産を損失した場合、雑損控除が適用されます。

雑損控除は、災害・盗難・横領により資産の損害を受けた際に、一定の金額の所得控除を受けられるという制度です。これらの被害に遭った人の税負担を軽くし、損失の一部を国が補填しようという仕組みです。

では、振り込め詐欺の被害に遭った場合、雑損控除は適用されるのでしょうか?

結論から言えば、適用されません。これに関しては国税不服審判所で裁決が下されており、

  • 犯人の指定した口座に振込をした行為は被害者の意思に基づいており、「災害」にはあたらない。
  • 振込は被害者本人の意思でなされているため、「盗難」にもあたらない。
  • お金の所有権は振り込んだ時点で犯人側に移転したと認められるため、「横領」にもあたらない。

結果、振り込め詐欺は災害・盗難・横領のいずれの損失でもないため、雑損控除の対象にならないとの判断です。雑損控除は「自分の意思に関係なく被った損失」を補填する制度であり、振り込め詐欺は「(だまされたとはいえ)自分の意思に基づいて現金を支出し被った損失」と見なされ、控除は受けられないようです。

詐欺手口の巧妙さや検挙率の低さを考えると、この判断は少し厳しいものであるようにも感じます。ともかく、現時点では振り込め詐欺被害に対する所得税法上の救済措置はありません。しかしながら、何らかの被害に遭った場合は、税法上の救済制度があるかどうか都度確認することをおすすめします。

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