安藤税理士法人の加藤です。今や電子マネーの普及により、お金を支払うという作業が非常に楽になりました。
電子マネーを利用すればモノやサービスの提供側も利用側も手数が減るため大変便利なのですが、税務や経理の面から見ると処理はむしろ手間が増えます。
現金で経費を支払った場合にはその場でレシートや領収書をもらえば済みますが、電子取引を利用した場合、金銭が動くタイミングと経費を認識するタイミングが異なります。
電子マネーには、前払い方式と後払い方式の2パターンがあります。
①前払い方式
Suica、PASMO、nanacoなど、先にチャージを行うプリペイド方式を指します。
最初に支払うデポジットは最後に戻ってくる預け金なので資産で計上し、経費には入れません。
チャージ代金は、チャージした時点では資産計上をし、使用する度に費用へ振り替えるのが原則です。簡便的な方法として、チャージ代金は一括で費用に計上して、決算時に残高を貯蔵品に振り替える方法で認められるケースもあるようです。しかし、これは私的な利用が混ざっておらず、用途が一貫している事などを満たしていないと否認されるリスクがありますので、やはり原則の方法による認識が基本となります。
②後払い方式
QUICPayやiDなど、利用額が後日預金口座から引き落とされるポストペイ方式を指します。
こちらはクレジットカードの処理と同様で、使用時に費用を認識して未払計上をし、引き落とし時に未払を取り崩す処理を行えば問題ありません。明細も後日に内容を確認できるものがほとんどです。
交通機関のICカードは使用履歴を遡って印字できる件数に上限があるため、定期的に印字を行うようにするなど、簡単なルールを決めておくとスムーズです。