安藤税理士法人の土屋です。ご存知の通り、償却資産は定められた法定耐用年数に従って減価償却を行うのが原則です。しかしその資産に他とは異なる特別な事情がある場合、耐用年数を短縮することが可能です。
今回は、この「耐用年数の短縮制度」についてご紹介します。
耐用年数の短縮制度とは、以下の3つの要件を満たしている場合に限り、その資産の(法定耐用年数ではなく)使用可能期間を耐用年数として早期に償却できるという特例です。
法令では、短縮事由として「材質や製作方法が他と著しく異なる」「地盤が隆起または沈下した」「陳腐化した」「場所が原因で著しく腐食した」などが挙げられています。
短縮申請を行う際には、申請の根拠を客観的に証明する必要があります。使用可能期間を説明できるような仕様書やカタログ、使用実績の資料等を整理しておいた方が良いでしょう。
この短縮制度の適用を受ける例が多かったために、法定耐用年数が改正された資産もあります。そうして平成20年に新設された区分が「無人駐車管理装置」です。
無人駐車管理装置とは、コインパーキングに設置されている自動車用のパーキング装置のことを指し、オートロック式(フラップ板式)やゲート式のものが該当します。これらは構造上、器具及び備品として扱われます。
以前は、その他金属製のものとして法定耐用年数10年と見なされていました。しかし排気ガスの影響により腐食しやすいという理由で短縮制度を利用する例が多く、結果新たに法定耐用年数5年の無人駐車管理装置という区分が設けられました。
もし特殊な事情で使用期間が著しく短くなる資産があるなら、このような制度を検討してみても良いかもしれません。