競馬の払戻金に関する判例と通達

安藤税理士法人の土屋です。先日の2月15日、国税庁が「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」とする文書を公表しました。馬券の払戻金は一時所得か雑所得か、はずれ馬券を経費として控除できるか、を判断する基準を整理したものです。

近年馬券をめぐる裁判で様々な判例が出ており、競馬の払戻金に関する通達を改正するのは2度目になります。

平成27年3月の最高裁判決では、払戻金は雑所得に該当しはずれ馬券を必要経費と見なす、との判断がなされました。本件では納税者が自作の競馬予想ソフトを使って馬券を購入しており、継続的で網羅的な営利活動と認められたからです。

平成28年9月の東京高裁判決では、払戻金は一時所得に該当しはずれ馬券は必要経費と見なさない、との判断がなされました。本件で納税者は年間1億円を超える多額の購入と払戻があったものの、合理的で具体的な選定方法に基づいた購入であることが明らかでなければ継続的な経済活動とは言えない、というのが理由です。

平成29年12月の最高裁判決では、払戻金は雑所得に該当しはずれ馬券は必要経費に算入できる、との判断がなされました。この件では自動購入ソフト等は使用していないものの、恒常的に多額の利益をあげており客観的に営利目的と見なせる、との理由です。

国税庁の見解としては、払戻金の所得区分について馬券購入の期間・回数、利益発生の規模・期間その他の状況を総合勘案して判断するそうです。

具体的には、自動購入ソフトを使用したり、予想確度や配当率の購入パターンに従うなどして、年間の収支において利益を得られるような活動であれば、雑所得に該当し経費算入も認められるとのことです。

とはいえ、厳しい基準であることに変わりはないので、多くの場合上記には当てはまらないでしょう。一般的には競馬の払戻金は一時所得に該当し、またはずれ馬券は経費になりませんのでご注意ください。

判例を受けて行われる通達改正の一例でした。

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