サービス残業がもたらす経営上リスク

安藤税理士法人の土屋です。従業員の時間外労働に対し正規の賃金を支払わない、いわゆるサービス残業は、労働基準法違反であり違法行為です。しかしながら、会社の規模に関わらず、少なくない企業でサービス残業が常態化しているのが日本の現状です。

今回は、時間外労働の未払いが会社にもたらすリスクについて見ていきます。

労働者の権利意識が浸透しつつある中で、労使間のトラブル件数も年々増加傾向にあります。残業代の未払いが発生していて、労働者が会社に請求したいと考えた場合、大きく分けて以下の3つの行動が予想されます。

  • 会社と直接交渉する

未払分に対し労働者から直接交渉を持ちかけられることがあります。労働者に今後も在職の意思があったり、いくらか譲歩するつもりがある場合、話し合いで穏便に解決することが可能です。労働者の主張を確認し、未払分の賃金を速やかに支払いましょう。

  • 労働基準監督署に駆け込む

労基署は、労働基準法を遵守していない会社に対し是正勧告・指導等の行政処分を行います。労基署への相談・申告は費用がかからないため、労働者は負担なく頼ることができます。労基署からの是正勧告書等に強制力はありませんが、例えば残業代を精算するよう指導されたのであれば、速やかに精算することをお勧めします。指摘された違反行為を繰り返す場合、経営者が労基法違反で逮捕・送検される可能性もあります。

  • 裁判を起こす

裁判では、労働者は未払分だけでなく、付加金(未払い賃金と同額)と遅延損害金(退職前は年6%、退職後は年14.6%)も併せて請求できます。例えば300万円の残業代未払いが裁判所に認められた場合、600万円以上を当該労働者に支払う義務が生じます。請求額が大きいほど、裁判が長引くほど、これらの負担は膨れ上がります。

時間外労働の未払いが会社全体で行われている場合、1人の従業員が上記の行動を起こすことで、連鎖的に複数人が請求を起こすことも珍しくありません。過去の残業代のために何百万何千万円を支払わなければならないと、会社経営に甚大な影響をもたらします。

会社の利益になると思って放置していたサービス残業が、実際は遥かに大きなリスクとなっています。従業員の労働時間を把握し、適正に管理することが大切です。

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